TPP合意見送りに関して

TPPの合意、見送られましたな。

複雑ではありますが、「ホッとした」というよりも「残念だ」という気持ちの方が強いです。

ハッキリ言って、著作権侵害の非親告罪化を避けることは現実的に難しいと思っています。
今回の合意見送りは、別に著作権条項、非親告罪化のみが原因で見送られたわけではないとは思いますが、著作権侵害の非親告罪化に関しては、「ただの時間稼ぎ」にしかならないと思います。

そして、「時間稼ぎ」は、稼いだ時間で「その後の手を打つためのナニカ」を行う場合にのみ意味を持ちます。
でなければ、老害が増税を先送りにして自分たちは払わずに下の世代に払わせようとしているのと同じで、どこかでツケを払うことになります。4ねばいいのに

それほど詳しく調べたわけではありませんが、非親告罪を採用している各国が
「何もかも警察の思い通り」という滅茶苦茶な制度になっているわけではなく、
「営利目的の場合」といった制限が入る等、限定的な運用がなされているわけで、
国際的に歩調を合わせていくという観点で、日本でもそのような制度にするのが妥当だと私は考えております。

私はコミケが大好きです。
だから著作権侵害が非親告罪化することによってコミケが無くなることは絶対に阻止したいし、著作権委員会で副委員長を務める身として阻止するように努力します

が、
同人活動のすべてが肯定されて然るべきかというと、それも違うと思っています。
無許諾で行う同人活動はあくまでも「ファンの活動」の範疇をこえてはいけないものであって、それが「商業」として成立してしまうのであれば、無許諾という状態はやはり不健全なのではないかと。

例えば、毎回コミケに出店して膨大な量の同人誌を売るだけでなく、業者に委託して年中同人誌を売ってそれだけで生活が出来てしまうような同人活動と、細々と活動を行い、コミケに出して数冊の同人誌を売るだけのファンに毛が生えた程度の同人活動とを、同じ目線で語ることは出来ないと思っています。

「黒に近いグレー」と言われることを許容している現状のコミケにも問題はあるのだと、私はそう思うのです。

非親告罪化というのは、そのような状態を打破して、「ファンの活動」として誰からも白い目で見られることのないコミケを確立する上で、良い機会なのではないでしょうか。
そのような、お天道様に顔向けのできるコミケや同人活動が、参加者側の努力のみで実現できればそれが一番いいのでしょうが、膨大な同人作家がひしめく現状においては無理でしょう。
であるならば、著作権侵害の非親告罪化をきっかけとして、そのような状態を実現するための法律、制度にすればいいのです。

そのため、非親告罪化を受け入れた上で、
・非親告罪を採用している他の国と同様に、著作権侵害のうち罰則の対象となる行為を絞る
・現状や、今後現れる新しいコンテンツビジネスに関する行為に対して柔軟が運用がなされるように、包括的なフェアユース既定を導入する
といったことを合わせて行い、非親告罪化については早々に同意して、他の分野で日本の主張を通す方が有益なのではないかと。

というか、今まさにそういった意見を国に提出可能な位置にいるので、ちょっと頑張ってみようと思う次第です。

その結果、著作権について何も考えずに能天気に同人誌を扱っている業者は「震えて眠れ」、ということになるかもしれませんが。

そもそも、同人誌を扱う業者は、サークルから同人誌の託を受けた時点で、内容精査して許諾の要否を判断し、必要なら版元に対して許諾を取るくらいのことやって然るべきだと思うんですが。
俺と顧問契約してくれたら代理してもいいでっせ。

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