アニメの第1話に望むコト 閃光のナイトレイド第1話(演出:ヤマトナオミチ)

私がマネージャーを名乗らせて頂いているコンテ作家・アニメ演出家 ヤマトナオミチさん
ヤマトさんのことを私が知ることとなったキッカケについてのハナシです。

「アニメは第1話が重要」というハナシ、聞いたことがあると思います。
実際に1月、4月、7月、10月の第1週目には、そのクールに放送されるアニメの第1話を一通り見た上でそのクールに観るアニメを決める、という方もいるのではないでしょうか。

原作が大好き!
設定が面白そう!
このキャラデ萌える!

といった様々な期待感があっても、第1話を見てガッカリ、という場合もあるかもしれません。

とにかく、短くても3か月は続くTVアニメにとって第1話の内容は人気が出るか否かを大きく左右する重要な要素であることは【間違いない】

ぶっちゃけ、誰もが大好きで、自分も結果的に大好きになった名作であるにも関わらず、第1話をイマイチに感じたために、第2話を観たのは作品が後半戦に差し掛かってからだった、という作品もあります。

そんな「アニメの第1話」
古くはふしぎの海のナディアが自分にとってのナンバーワンでした。
ナディアのテーマの全てがあの1話に集約していると言っても過言ではない、ドキドキしっぱなしの30分。(※ちなみに、ナディアで一番好きなのは17話です)

では今は何か!?
それが「閃光のナイトレイド」です。

そもそも、「好きなアニメは何ですか?」と聞かれて何と答えるか。
これはヲタクにとって非常に難しい質問だと思います。
膨大な数のアニメを観ていて、多くのアニメの良いところ、面白いところを深く理解していながらも、

「エヴァ一択」

という芯の強い友人もいます。
が、私は正直どれか1つを選べません。

もはや日本の伝統芸能とも言えるガンダムは当然好きです。
仮に「ガンダムが好き」と言っても、どのガンダムが好きかを言わなければ、もはや「アニメが好き」と言っているのと何も変わらないでしょう。

ジブリ作品等の劇場作品やエヴァ等のビッグコンテンツ、当然好きです。

また、「自分の人生を左右する程のアニメ」という点ではワタル、ナディアです。
その他、気分によって「これが一番」というアニメはコロコロ変わります。

そんな中、
あまり他の人が言わないアニメを挙げることによって「俺、知ってるぜ」感を出したい
というトコロ、ヲタクなら多分にあるのではないでしょうか。

その観点で一番に出てくるのが

閃光のナイトレイド

です。

このアニメ大好きだったのですが、最も印象に残っているのが第1話の面白さです。

私が許せないことの1つがネタバレなので、内容についてあまり詳しく書くことは避け、公式サイトに載っている文章を引用しますと

魔都と呼ばれた1930年代の上海。雑多な人種や国籍、階層、さまざまな人々が入り乱れる混沌とした、だがエネルギー溢れるその街で、日本人の財閥が誘拐されるという事件が起こる。駐留する日本軍との武器取引を目論む地方軍閥の仕業らしい。人質を救出すべく、軍閥の本拠に潜入する四人の若者たち。葵、葛、棗、雪菜、とそれぞれに花の名を冠し、桜井機関と呼ばれる諜報機関に属する彼らは特殊な能力を持っていた。

という感じです。

放送開始当時、公式サイトを見ることもなく完全に前情報ゼロの状態で第1話を観たのです。
キャラクターの性格、キャラクター同士の関係性、時代背景等、理解するべきところはスッと入ってきましたが、どんくさい説明的なセリフやナレーションは一切なし。
かといって、それらを示すためだけの序章的な30分というわけではなく、しっかりとしたエピソード、桜井機関の面々が初めてのミッションをこなすエピソードによって構成されています。

また、スパイアクションの第1話ということで緊張感のあるエピソードの中、ヒロインである雪菜の萌えがどのような方向性であるかについてもシッカリと明示されたのも秀逸でした。

観終わったとき、とても30分だったとは思えないような、満足感があります。
とにかく30分間釘付けになっていました。
と、言うよりも「30分とは思えない程ぎゅっと内容が詰まっていて長く感じた」といったところでしょうか。

元々歴史好きなのですが、この放送の頃は昭和史にハマっていて、「陸軍中野学校」に関する本等を読み漁ったりもしていたので、昭和日本のスパイモノというところがジャストミートだったのもあります。

葉加瀬太郎さんが音楽を担当されていたというのも凄いです。
音楽を単曲で買うということは滅多にしないのですが、メインテーマの「The Mission to Complete」を探してすぐにiTuneを開いた覚えがあります。
第1話はもちろん、それ以降も毎話「ここ!」というタイミングでこの曲のカッコ良いイントロが始まると「ギューン!」となったものです。

第1話を観終わったとき
「このアニメは面白い!これは当たる!」
と思ったのですが、アニメ自体の評判は自分が思ったほどではなかったのが残念です。
「第二次大戦前の中国における日本の諜報機関」というテーマが難しかったのでしょうか。
「面白くなかった」という事ではなく、「観られてない、知られてない」ということだと思います。

で、このアニメで助監督を務めると共に、第1話の演出を担当されたのがヤマトさんです。
クレジットで名前を観た時に、「片仮名なんだ~、ミッシェルガンエレファントが好きなのかな~?」なんて思ったものでした。

その後、縁あってヤマトさんと実際にお会いさせて頂けるようになってから、助監督、演出、絵コンテといった仕事についてのお考えを色々とお伺いしているのですが、ヤマトさんの演出の仕事に対する姿勢を私なりに表現すると

「演出の手法をおさえて作品に応じた表現手法を模索しつつ、監督の意図、画コンテの意図、原画の意図等、夫々のクリエイターの素材に対する意図を理解し、それを活かして作品を完成させる」

ということかと。

当初は、自分が大好きな作品で助監督を務めた人、自分が大好きな話数で演出を務めた人という、多分にミーハーな気持ちでお話を伺っていたのですが、ヤマトさんのアニメ演出に対する考えを聴いていくうちに、自分が「最高の第1話」と考えるアニメ、その第1話を演出した方のアニメ演出に対する想いを聞けてえらく感動したものでした。

アニメの面白さには色々な要因があり、観る人によって受け止め方も異なり、「何が正解」ということの無い世界だと思います(特許の仕事と似てるな~なんてよく思いますが)
そんな中、私はアニメ作りにおいて、演出さんの役割がとても重要だと思います(所詮シロウトですので、絵コンテは演出に入るのか?みたいな難しいことはわかりません)

閃光のナイトレイドの第1話の面白さに関して、ヤマトさんは「松本淳さんの絵コンテが良かったから」と謙虚に語られていました。
BD第1巻の初回限定盤には第1話の絵コンテが付属してますので買って読んでみたのですが、当然シロウトには絵コンテの良し悪しなんてわかるはずもありません。ただ、色々なアニメの特典で絵コンテが付属していることは珍しくないので他にも絵コンテを読んだ事はあったのですが、ナイトレイド第1話の絵コンテは随分緻密だなぁと思ったものです。

良い絵コンテがあったとしても、演出さんが絵コンテを意図を汲み取れず、原画さんに適切な依頼をできなければ、作品の完成度は絵コンテのレベルに見合ったものにはなってこないのだと思うので、やはりナイトレイド第1話の面白さにおいてヤマトさんの果たした役割は大きいはず。
弁理士の仕事においても、どんなに良い発明でも弁理士がダメだと良い特許にはなりませんし、逆に低レベルな発明でも、経験豊富な弁理士が対応すればそこそこの特許出願にはできますしね。

とにかく!
TVシリーズの第1話等、「ここ一番!」という重要な回の演出にお困りのアニメ制作関連の方は、是非ヤマトナオミチさんを御検討下さい!

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