JASRACには微塵も義を感じない

PPAPに続き、「流行りごとは避ける」という自分の中のセオリーに反するのだけれど、WBS見て「カッチーン!」ときたので書きます。

WBSにJASRACの常務理事が出てこんな事を言ってましたね。

「受講料を徴収して(楽曲を)レッスンで利用している以上は、(楽曲を)作った人に対して一定のリスペクトをしてください」

一番リスペクトしてねぇのは何処のどいつだ。貴様がJASRACで担当している業務の内容とそれで受け取ってる報酬の額を明らかにしてから発言しろ

と言いたくなりますが、まぁ今日はいいです。

一定のリスペクトってなんだ?それが金か?
金払ってなきゃリスペクトしてないってことになるのか?

今思い出してもムカつく。

冷静に論ずるのがバカバカしくなるような相手ではあるけれども、とりあえずこの件について自分が思うのは「楽譜」の存在。

音楽教室でレッスンを受けるに際しては「楽譜」が使われることが大半ですよね。
自分も幼稚園、小学校の頃はエレクトーン教室に通ってましたが、教室指定の楽譜をテキストとして使ってました。

この「楽譜」の値段には著作権料が乗っかっています。
当然ですよね。楽曲の譜面なんですから。

そして、楽譜を買った人は次に何をするでしょう?
普通は楽譜に基づいて演奏の練習をします。
当たり前です。

買ってきた楽譜に基づいて演奏の練習をする。
自宅で個人的にやる分には著作権法上何の問題も生じません。

でも独学でやるには限界がある、やっぱり先生に教えて欲しい。
で、楽器の演奏を習いに行く。

演奏で利用する楽曲に対しては、楽譜に乗っかってる著作権料を支払ってる。

これ以上、楽曲に著作権料を支払う必要なんてありますかね?

JASRACの言い分は、先生が生徒にお手本として聴かせる演奏に対して「演奏権」に基づいた著作権料を徴収しようというもの。

(上演権及び演奏権)
第二十二条  著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。

で、問題となってるのが「公衆に」の部分。

先生が生徒に聴かせるのが「公衆に」に該当するのか。
これについてJASRACが鬼の首取った様に言ってるのが、社交ダンス教室の裁判で、JASRACが社交ダンス教室に著作権料払えって言って訴えた事件
社交ダンスの生徒が「公衆か」否かが一番の争点でしたが

一度に数十名の受講生を対象としてレッスンを行うことも可能と考えられることなどを考慮すると,受講生である顧客は不特定多数の者であり,同所における音楽著作物の演奏は公衆に対するものと評価できるとの前記判断を覆すものではないというべきである。

として、演奏権の侵害が認められました。

この判断を音楽教室に単純に当てはめられるか?
というのがこの騒動の一番の焦点になってくるような雰囲気ですが、自分としては音楽教室の生徒が一度に数十人の場合もあって、「公衆」とみなされるのか否かなんてどうでもいいです。
断固として言いたい。

楽譜に金払ってればいいだろ!

と。

楽譜を買うことによって得られる権利の内容は、「楽譜を所有する」ことだけなのか?
違うでしょう。
その楽曲を演奏する練習がしたいから楽譜を買うわけで、その練習が効率的なものとなるように先生に教えてもらう際のお手本の演奏に著作権料が必要だとしても、それはもう楽譜を買った時に払った著作権料でいいんじゃないか。

逆に、

安易に楽譜をコピーして生徒に配るようなことをしていたら、それは糾弾されて然るべき。

とは言え、何十曲と収録された楽譜集の中の1曲だけを生徒に練習させるために楽譜を一冊買わせるのもまた現実的ではない。
その辺について、おざなりにせず、ちゃんと考えて運営をしてきた音楽教室は、その努力が今回の武器になるはずだと思います。

著作権の法目的はこんな風に規定されています。

(目的)
第一条  この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

楽譜買うときに著作権料とって、お手本聴かせてもらうときにまた著作権料とって、それって「文化の発展」に寄与することなのかね。

 

そして、今回の騒動でもう一つ嫌なこと。

レッスン料の収入の一律2.5%を徴収する。
数字の根拠も示さずに。

これはJASRACがカスラックたる所以、以前から「そりゃおかしいだろ!」と言われてきたことを今回も平気で言ってるわけです。
細かいことを丁寧に考えることを放棄し、「一律マルッと」でしか音楽著作権料の徴収や分配をしない、連中の最も糾弾されるべき特徴です。

断言しよう!

JASRACは音楽家をリスペクトなどしていない。

連中は金さえ取れて、取った金から自分たちの取り分を差っ引いて残りを誰でもいいから「音楽家」に渡せりゃ、その分配の内訳がどうなってようがどうでもいいんだ!

その証拠が連中のやり方。
JASRACが管理していない楽曲のみを使用している店舗にも平気で「金払え」とくる。
あたかもこの世の全楽曲の著作権管理を自分たちがやっているかのように振舞う。
徴収した金を適正に音楽家に分配する努力など微塵もしない。

一律2.5%というなら、その根拠を世の中に示すべきなのに、その努力をしようともしない。

音楽教室が使用する楽曲の中には当然にクラシックの曲もあるでしょう。
著作権が切れた曲もあるでしょう。
JASRAC管理外の曲もあるかもしれません。

膨大な数の楽曲の中で、細かい計算が事実上不可能なのは当然。
しかし、連中は不可能という状態にあまえて、分配を適正化する努力、適正な徴収を行う努力を怠って何十年も利権を貪ってきたわけです。

そして反論されれば「音楽家へのリスペクト」と、思ってもいないことを決まり文句としてのたまう。

こんな団体に日本の音楽著作権管理が牛耳られていていいわけがありません。
絶望すら覚える。

幸いなことに、
2017年現在、日本の音楽著作権管理団体は他にもあるのです。

株式会社NexTone

この会社の中の偉い人と話した事ありますが、是非とも頑張ってほしいと思いましたし、「変わるかも」と期待できる意志を感じました。

音楽家の皆さん、音楽著作権の信託先として、NexToneさんを選んでみてはいかがでしょう?

JASRACには微塵も義を感じない” への3件のフィードバック

  1. Twitterから拝見させていただきました。
    とても仰っていることは真っ当な事だと思いますが、名前を公に出さず濁して書かれた方が良かったのではないでしょうか?

    カス〇ックなどはないとは思いますが、もしその関係者がたまたま目にして侵害だ!と思われますとそれはそれで馬鹿な話になります(万が一やもしもなどの話にはなりますが。)し当方は法律の勉強もしたことがないのでよくわかりませんが、皆様が見れるブログで大々的に会社名を出してディスるのはやめてた方がいいかもです……

    どうしても、ムカつく!という時は一般公開せず一部だけなどに変更してはどうでしょうか?

    長々と文面を書いてしまい申し訳ございません。
    また、弁護士でも、弁理士でもない当方がこのような事を言うのはなにもわかっていない素人状態で、余計に怒らせてしまうかも知れませんが申し訳ございません。

    ただ、気になったのでコメントだけさせていただきましたすみません。

  2. 楽譜をかっても演奏権がついてくるわけでないですし。カラオケ法理によれば、演奏者は、音楽教室運営者と、いえなくもない。生徒たちは、お金を払えば参加できるから、不特定の者、すなわち公衆ともいえなくもない。とすれば、演奏権の侵害ともいえなくもない。なのに、「楽譜に金はらってればいいだろ」は、専門家の人が言うには、あまりに単純すぎるようにも思います。
    カス◯ックよばわりも、心配です。

    1. 条文の字面だけ拾ってそのまんま語るような程度の議論で他人に絡むのはやめた方がいいんじゃないですかね。
      それこそ単純でつまらないので。
      楽譜を購入した人が楽曲に対して得る法的な立場とは何なのか?
      「楽譜に適切にお金を払った」先生による「楽譜に適切にお金を払った」生徒に向けてのお手本の演奏に著作権使用料を課す事は、その法的立場や立法趣旨に照らして適切なのか?
      という話をしているんです。

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