特許検索に関するあれこれ その5~FIやFタームの階層の見極め~

特許検索に関するあれこれ その4の続きです。

⑤Fタームを参照する が終わったら

⑥FI、Fタームの絞り込みを見極める

既に書いた通り、FIもFタームも人力で付与されているので、必ずしも高精度とは言えない場合があります。

特にFI、
FIの階層構造に関しては前述の通りこちらにて説明されていますが、
パテントマップガイダンスで調べて、「これだドンピシャ!サブグループ、展開記号、分冊識別記号まで指定してがっつり絞り込める!」なんて調子に乗ると大きな落とし穴にはまります。

人力で付与されるコードに「絶対」はあり得ません。
展開記号や分冊記号が付与されていないことなんてざらです。
更には、精細に付与されているのはメイングループまでで、サブグループは「これ以降の階層全部」を示す「00」となっている事も珍しくありません。

Fタームについても同様、
ある文献に、自分が抽出したい技術が記載されているとします。
そして、先述の方法によって調べた結果、自分が抽出したい技術をドンピシャで言い表すFタームがあったとします。
しかし、そのFタームがその文献において主要な技術内容だと判断されていなければ、そのFタームはその文献には付与されていないのです。
その結果、「ドンピシャだ!」と思ったFタームで絞り込みをかければ、その文献は弾かれてしまう事になります。

このように、FIやFタームを詳細に絞り込むことは、意図した文献を弾いてしまう危険性をはらんでいます。

かたや、比較的精細に付与されている分野の場合には、是非ともFI、Fタームを利用して絞り込みをかけたい。

ではどうするか、が今回のテーマです。

1.階層高めの絞り込みで抽出数を確認する

まず絞り込みを甘くした状態で文献表示が可能な状態(3000件以下)まで絞り込めるように検索式を作ります。

「絞り込みを甘くした状態」とは、例えば

Fターム:テーマコードのみ
FI:メイングループまででサブグループは「00」を指定

という感じです。
これまでのFI、Fタームの抽出に基づいて、

テーマコード:2H054 2H102 5B057 5L096
FI:H04N5/00 G03B15/00 G03B17/00

として検索をしてみます。

そうすると、

3000件には程遠いようです。

2.キーワードで更に絞り込む

ここで、キーワードを使います。
今回は「顔を認識して自動的にシャッターを切る」技術ですから、「顔」「認識」「シャッター」を意味する単語をなるべくたくさんいれる事にします。

顔、表情、フェイス、頭、人、etc

認識、検知、検出、ディテクト、抽出、認知、確定、発見、見つけ、確認、etc

シャッター、撮影、撮像、取り込、取込、記憶、保存、etc

こういった単語を検討する際のコツは、類語を思い浮かべるのではなく、「顔を認識して自動的にシャッターを切る」技術を文章として記述する際の、「顔」「認識」「シャッター」を指す部分がどのように文章中で記述されるかを思い浮かべることです。

とりあえず、

「顔、表情、フェイス、頭、人」
「認識、検知、検出、ディテクト、抽出、認知、確定、発見、見つけ、確認」
「シャッター、撮影、撮像、取り込、取込、記憶、保存」

でいってみましょう。

すると、

なかなかいいラインなのではないでしょうか。
今回はこれで良しとします。

※ここでの絞り込みはその時その時のセンスです。例えば、キーワードとしては「顔、表情、フェイス、頭、人」のみを指定した場合、件数は3000件弱となり一覧表示は可能になります。その分ノイズは増えますが、他のキーワードを指定することによって必要な文献が漏れてしまう可能性が減ります。

3.抽出された文献をザっとチェックし、近いと思う文献をピックアップする

その上で、この1341件を全て詳しく読む、

なんて事は言いません。

もちろん、時間が許すのであれば全部読むのもいいと思います。
でも実際にはそんな時間をかけていたら商売上がったり。
そうではなく、【要約】や【特許請求の範囲】の一番上の【請求項1】だけをザっと読みつつ、「これは近い」と思った文献をサクサクとピックアップしていきます。

ここで、どこまで文献を見ていくかはその時その時で変わります。
あまりにもノイズが多く、なかなか技術的に近いと判断できる文献が見つからなければ、その分多くの文献を見なければいけなくなります。

自分が目安として考えているのは、「10件程度の文献がピックアップできるまで」といったところです。ノイズが少なく、近しい文献が多くピックアップできる場合には20件程度まで続けてもいいかもしれません。

4.ピックアップした文献からFI、Fタームの精度を推測する

このように数件~十数件の文献をピックアップできたら、FIやFタームがどのように用いられているかの雰囲気を掴みます。

例えばピックアップした文献の全て、若しくは9割以上といった高確率で同一のFIが展開記号や分冊記号まで指定されて付与されていた場合、その展開記号や分冊記号での絞り込みは有効という事になります。ただし、9割以上ということで1割の抜けが発生することを考慮します。仮に、それと同一のFIが付与されていなかった一部の文献の方が技術的な類似度が高いということならば、残念ですがその展開記号や分冊記号まで指定されたFIは使えず、その後はFIが共通する部分、例えばサブグループまで共通しているのであればサブグループまで、といった形でFIを決定します。

Fタームも同様、ピックアップした文献に共通して付与されているFタームが存在するのであれば、そのFタームを再度パテントマップガイダンスにて調べ、その解説が目当ての技術内容に即していれば採用します。
※Fタームの場合にはその文献が含む技術的要素に幅広く付与されるため、目当ての技術内容とは異なるものが共通してしまう可能性もあり、最後に再度確認します。

このようにしてFI、Fタームの絞り込みを見極めることができたら、、

次回

⑦最終的な検索式を抽出件数に基づいて確定する。

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