就活生に贈るコトバ

就職活動の時期ですね。
外をさっそうと歩くリクルートスーツがまぶしいです。
どうでもいいですけど純朴そうな女の子のリクルートスーツ姿ってなんかエr(ry

もう決まっている人、これから具体的に活動する人、今まさに奮闘している人、色々な人が混在している時期でしょうか。

今は一人ぼっちの無頼の輩の私ですが、ちょっと前まで特許事務所で採用の面接とかしてた時に思ったことを「就活生に贈るコトバ」として書いてみようと思います。

尚、ここで書くことは、”~商事”だの、”~物産”だの、”~通”だのみたいな「とにかく大企業に入りたい!」と言う人には非対応です。
そういう人は、うまいこと人に媚びる術を身に付けて世の中の色んなモノに媚びていけばいいと思います。
それで10年後、20年後、若しくは人生の終わり頃になって「自分は何のために生きてたんだろう」とか後悔して4んでいけばいいわ。

そうではなくて、「こんな仕事がしたい!」みたいな想いをお持ちの方には、ちょっと肩休めにでも読んで頂ければ。

「就職活動」は「試験」ではない、と言うのが私の考えです。
では何なのか?
私は「お見合い」のようなものだと思っています。

その真意は、「お互いの事を知って相性を確かめ合うこと」
採用/不採用が差し当たりの結果なので、どうしても学生が試される立場に見えてしまうかもしれませんが、内定が出てもそれを断ることだってあるわけですしね。
やっぱり「お見合い」です。

なので、就職活動において大事なことは「企業に認められること」ではなく、「自分のことを企業に伝えること」なのではないかと。

では何を伝えるか、
それはもちろん「こんな仕事がしたい!」という、その想いでしょう。

で、「こんな仕事がしたい!」というその想いですが、
まず1つ
「誰よりも強い思いですか?」
というところを考えてみて欲しいです。

特許事務所で「弁理士になりたい!」といって面接を受けに来た人の話を聞いて、その「弁理士になりたい!」という想いが「強いなぁ」と思った事は正直無かったです。
少なくとも10年以上前、初めて特許事務所の門を叩いた時に自分が抱いていた想いに匹敵すると思った事は無かったんですよね。
当然ながら面接を受けに来る人は緊張しているので、なるべく下らない話をしながら普通に話せるように雰囲気を作って話を聞こうと努力をしたつもりではあったんですが。
なので、「こんな仕事がしたい!」という想いで就職活動をする人は、是非ともその「想い」と更に向き合い、その「想い」を研ぎ澄まして欲しいと思います。

逆に、その「想い」と向き合ってみると、「あれ、そうでもなかったかも。。。」と気付いてしまうこともあるかもしれません。

もう1つ
「人にちゃんと伝わるほどに具体的ですか?」
ということ。

これは実は自分が学生の時の就職活動の教訓でもあります。

「玩具会社に入りたい!」
ということで就職活動をしてまして、当時はまだタカラとトミーが合併前で、バンダイ、タカラ、トミーの3強の時代でした。

で、詳しい理由は割愛するものの、私はとにかくタカラに入りたかったんですね。
でも、採用のスケジュール的にはバンダイの方が早かったし当然ガンプラも好きだったので、バンダイから内定が出ればバンダイでもいいやぁ、なんて思っていました。

で、書類、1次面接と順調に突破し、2次面接での事なんですが、
「うちに入って何がしたいの?」と聞かれて、「しいて言うならガンプラ」というソコソコの想いを抱えながら「是非ともガンプラ!」と答えたわけですが、

我ながら、気持ちの乗っていない言葉でしたね。

あればバレたかもなぁ、、、
なんて思いましたが、当然2次面接で落ちました。

で、その後タカラでの最終面接の事
同じように「うちに入って何がしたいの?」と聞かれました。
今度は正真正銘、本当にやりたいことがあるのでそれを熱弁したところ、「弊社は、そのコンテンツからは手を引きました」と面接官の副社長から返されてしまいました。
一瞬、「あ、落ちたかも。。。」とは思ったんですが、”俺はこのハナシをしに来たんだ!”ということで、食い下がって暴走気味に熱弁を続けたんです。

そうしたら受かりました。

まぁ、つまりバンダイに対しては「玩具会社に入りたい」という以上の具体的な「想い」が無かったけど、タカラに対してはそれがあったという事ですな。

「漠然とした思いで面接に来られてもねぇ」と、いざ人を採用する立場になってみて思います。
自分が面接してた時、「なんで弁理士になりたいの?」と質問して返ってきた答え、
「日本の知財のために」とか、「企業の技術を守りたい」とか、そういう漠然としたお題目にはまったくピンとこないですよね。
「ぜってー思ってねぇだろ」とは言いませんけど、面接官としては、そういった大そうなお題目より、もっと等身大の想いが聞きたいだろうと思います。

自分の中の「こんな仕事がしたい!」という想いと深く深く向き合い、その想いをより具体的にできれば、面接官の方にしっかりと伝わる話ができるようになるだろうし、誰よりも強い想いに育っていくのではないかと。

そういえば数か月前、私のブログを読んで弁理士という仕事に興味を持ち、「是非直接会って話を聞きたい」という学生さんからメールをもらいました。
「一般的な弁理士の仕事が知りたいなら私じゃない方がいいと思うよ。。。他の弁理士紹介しようか?」と言ったのですが(笑)、それでも是非にということでしたので会って話をしてきました。

「いざ就職活動」という人生のタイミングで、「働く事」というか「人生」に対して真正面から向き合っている感じで、とても感心したものです。
あれくらい真剣に自分の人生を考えている人が、自分の頭で考えて最終的に「弁理士になりたい!」と思ってくれたのだとしたら、自分が特許事務所で採用を担当する立場だったら採用するなぁ、と思ったものです。

ともかく、
就職活動は「人生」を左右するとてもプレッシャーの強い活動だとは思いますが、楽しもうと思えばいくらでも楽しめる活動です。
なぜなら、書類を突破して面接にさえ漕ぎ着ければ、どんな企業でもとりあえず話を聞いてくれるのですから。
「あの企業むかつくなぁ」という企業に面接に行って色々とおちょくりに行ったっていいわけです。
試しに受けてみた企業の面接官がムカついて、その面接官がズラっぽかったら、質問に対する答えで「~だズラ」とか言ったっていいわけです。
「新卒」という立場で就職活動をするチャンスは人生に一度きり。
就活生の皆さんには、その一度きりのチャンスを是非とも最大限に楽しいんで欲しいです。

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