弁理士の業務は本質的に“テレワーク”に向かない
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、出勤日数の削減やテレワークの必要性が高まるところ、特許事務所も例外ではなく多くの事務所が対応を余儀なくされております。
しかしながら、我々弁理士が扱うクライアントの情報はおしなべて機密情報であり、その取り扱いには高度な情報セキュリティが求められるところ、テレワークによる業務の遂行において情報セキュリティを適切に保つ事は非常に困難です。
テレワークと言うのは、単純に弁理士を含む特許事務所の所員が各自の自宅で仕事をするという意味に留まりません。そうではなく、各自の自宅で仕事をする所員、特に事務担当者と技術担当者とが相互に連絡を取り合い、情報を送受信しながら業務を遂行する事を意味します。
一般的な流れとしては、
1.[事務担当者]クライアントからの業務の受託、それに伴う情報の受信
2.[技術担当者]業務を遂行(特許明細書の作成等)し、ドラフトをクライアントに送付する
3.[技術担当者]クライアントからの連絡を受け、ドラフトを完成させる
4.[事務担当者]技術担当者からの指示に基づき、庁へ書類を提出する
といった流れになります。
これはある程度簡略化した流れであり、場合によっては上記1~4の間に細かい手続きが入ることもありますし、1~4のそれぞれの中で技術担当者と事務担当者とのやり取りが発生する場合もあります。
このような仕事の流れにおいて、技術担当者と事務担当者との間の情報のやり取りに際した情報セキュリティを適切に保つために各種のシステムが用いられたり、所内のルールが定められたりしている事かと思います。
しかし、残念ながら一般的な特許事務所の業務の流れにおいてテレワークを導入する以上、情報セキュリティが適切に守られることはあり得ないと断言できます。
所員が全員情報セキュリティの専門家であるか、少なくとも情報セキュリティのリスクを熟知している場合のような特別な場合を除き、特許事務所の職員は必ずしも情報システムに精通しているわけではありません。
したがって、どのような事をすれば情報セキュリティ上のリスクがあるか、リスクが顕在化してしまうかという事を理解していません。
結果、クライアントの機密情報が不特定多数の部外者によって閲覧可能な状態に置かれてしまう事が起こりかねません。
また、多くの特許事務所では、業務が細分化された結果として、業務の最初から最後までをすべて把握している人が存在しません。
私自身、特許事務所勤務時代は当然、パートナー就任後でさえ、業務の最初から最後までをすべて把握してはいませんでした。
その結果、テレワークに伴って情報セキュリティを確保した体制を構築するとしても、業務の流れのどこにどのような情報セキュリティのリスクが存在するかを把握できず、適切な体制を構築する事が困難です。
個人であれば情報セキュリティリスクを潰せる
多くの人が相互に情報をやり取りして業務を行う以上、そして、業務の流れのすべてを把握する者が存在しない以上、どこかに情報セキュリティ上の穴が発生してしまう事は避けられないと思いますが、私のように個人で業務を行っている弁理士であれば、それらすべての可能性を潰すことができます。
特に、私は情報セキュリティアドミニストレーターの資格を有しており、技術分野も情報処理関連を専門としているため、業務遂行に際しての情報セキュリティには万全を期していると自信をもって申し上げられます。
業務の拡大に伴い、今後事務所を構えて人を雇うことも考えられますが、その場合においても常に業務のすべてを把握し、情報セキュリティアドミニストレーターとしての知識も活かして、テレワークが必要な場合においても万全なセキュリティ体制を構築することができます。
そもそも、個人で業務を遂行している私としては、昨今のテレワークの必要性の高まりに対して特に大きな変更を必要としておらず、従来と同様に業務を遂行できております。
現在、業務拡大に向けて新規クライアントを募集中です。
これを機会に、ぜひともご依頼をご検討ください!