ゆっくり茶番劇の商標登録、という茶番劇 ~商標権の権利濫用~

※アイキャッチ画像の意味は中程で。

「ゆっくり茶番劇」が商標登録された、というニュースが駆け巡りました。
※注意※ 再生数が上がってしまうので下記ツイートのリンクはクリックしないように!

自分がヲタクだからなのか、今回の祭りは久方ぶりに瞬間湯沸かし器になりましたね。

現在進行系で「米国最高裁判決、グーグルvオラクル Java訴訟」シリーズを書いてる最中なんですが、これはスルーできないということで一時中断して殴らせ書かせて頂きます。

大前提として、これ系の記事を書くときにいつも書くことですが、

商標法というのは、事業を行った結果として信用が集まった「看板」が他者に勝手に詐称されてしまうことを防ぐための法律です。
間違っても、既に信用が集まっている他者の「看板」を横取りして不当な銭をせしめる事を正当化し得る法律ではありません。

<目次>
1.商標権の確認
2.権利の解釈についてジャブ、権利濫用でいこう!
3.ゆっくり茶番劇、東方Projectとは?
4.権利濫用の判例
5.終わりに①
6.終わりに②

1.商標権の確認

早速登録の内容を確認します。

【登録番号】第6518338号

【登録日】令和4(2022)年 2月 24日
【登録公報発行日】令和4(2022)年 3月 4日
【出願日】令和3(2021)年 9月 13日
【登録商標(標準文字)】ゆっくり茶番劇
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第41類  電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,移動図書館における図書の供覧及び貸与,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),図書の貸出し,書籍の制作,オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,コンピュータを利用して行う書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),ビデオオンデマンドによるダウンロード不可能な映画の配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供
【商標権者】
【氏名又は名称】石氷 匠
【住所又は居所】熊本県熊本市中央区西子飼町3番12号
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】古岩 信嗣
【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】古岩 信幸

ということで、第41類で指定されている「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,~」といった役務について「ゆっくり茶番劇」を「商標として使用」すると、商標権を侵害することになる、というのが商標法の原則です。

「ゆっくり茶番劇」という言葉は主にYoutubeで展開されている東方系の動画タイトルに使われる事が大半なので、その観点で指定役務を見ると、

インターネットを利用して行う映像の提供、オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。)、ビデオオンデマンドによるダウンロード不可能な映画の配給

辺りが検討の俎上にのるかと思います。

2.権利解釈についてジャブ、権利濫用でいこう!

で、

本件について、やはり自分も含めて東方好きなヲタク界隈は吹き上がります。
自然な流れとして、この商標権者による「ゆっくり茶番劇」の独占をなんとかして阻止できないか、という事になります。

そのために様々な論点が言われます。

例えば、
この権利は本当に有効なのか?(商標登録の無効)
とか、
動画のタイトルに「ゆっくり茶番劇」と付けることが商標権の侵害になるのか?(指定役務に対する商標的使用の成否)
とか。

で、上の2つとも一考の余地ありで、前者であればそもそも権利無効で何も無かったことになり、後者であれば権利侵害は成立しない、という結論になります。特に後者、動画のタイトルへの付与は「商標的使用」ではないという結論になり得ると思います。

なんか、無効審判請求のためのクラウドファンディングとかも立ち上がってるらしいですね。

東方を愛する同志が協力して、悪意による独占を阻止する! というのは非常に美しいストーリーなんですが、

自分としては別の論点を推したいと思います。

ずばり、

権利濫用に該当するので権利行使は認められない

です。

3.ゆっくり茶番劇、東方Projectとは?

「ゆっくり茶番劇」というのは、東方Projectのキャラをデフォルメしたゆっくり霊夢ですゆっくり魔理沙だぜによる解説動画のシリーズで、合成音声の「ゆっくり霊夢です、ゆっくり魔理沙だぜ」で始まる動画、観たことある人も多いんじゃないでしょうか。

いつの間にかインターネット動画の大きなカテゴリとして成立しています。

Youtubeを「ゆっくり茶番劇」で検索すると、ゴミ今回の商標登録問題に関する動画が山のように引っかかりますが、並び順をアップロード日順にして遡って表示される最も古い動画はこれでした。

で、このうp主さんの動画で最も古い動画はこれで、このタイトルにも「ゆっくり茶番劇」と付されています。
アップロード日は2018/09/21ですので、少なくともこの頃、つまり商標登録出願から3年前には既に「ゆっくり茶番劇」という言葉が東方キャラの動画タイトルとして使われていたということになります。
これはこのうp主さんのケースでしかないので、実際にはもっと古いでしょう。

上記の通り「デフォルメされた東方Projectのキャラによる解説動画」というカテゴリなので、少なくともキャラクター(デザイン)の権利は、まずは東方Projectを前提として考える事になります。

なんですが、ここで東方Projectの知財にまで踏み込むと(思い入れが強過ぎて)話が3倍くらいに膨れてしまうので、短くいかせて頂きますと、2000年前後、様々な権利問題に疲れたインターネット戦士達の心のオアシス、それが東方Projectです。
東方Project関係のコンテンツがインターネット上で一大勢力を築くに至った理由の一つは、間違いなく権利問題に疲れた人々のオアシスだったからです。

仕事絡みで東方楽曲のオーケストラコンサート(アイキャッチ画像)に招待して頂いたことがありますが、客席に座ってたZUNさんが公演終了後にひょっこり立ち上がってステージに登り、アフタートークが始まったのは非常に印象的でした。
(私は角度的に顔まで見えていたので、「あそこにZUNさん座ってる!」と気付いてましたけどね。)

さておき、そんな東方Projectキャラによって繁栄したゆっくり茶番劇の動画ですが、ZUN氏でもない、上海アリス幻樂団でもない、そこから何か権利を委託された者でもない、そんな第三者による今回の商標登録によって「ゆっくり茶番劇」という言葉が独占されてしまっていいはずが無い、多くの人が感覚的にはそうなると思います。

それはあくまでも感覚であって法律はそうは動かない、なんてことはなくて、法というのはちゃんと人の感覚、常識をカバーするように日々進歩しているものです。ただ、司法という場を経なければその進歩が加速されないので、今ひとつ人々の常識に追いついてない気がしてしまう。

だからもっと訴訟よ起これ!というわけにもいかない、パテント・トロールや商標ブローカー等から不当な要求で訴えられた被告が受けた損害を完全に回復できるような法制度には残念ながらまだ至っていません。パテント・トロールや商標ブローカーが訴訟でそう認定されて負けた場合には、反訴無くして損害賠償命令が出るくらいの制度になって欲しいものです。

話が逸れました。

「東方Project」、「ゆっくり茶番劇」についての理解を短くまとめると、

元々のコンテンツの魅力及びファン活動による二次創作を広く認めている結果として多くの人に愛され、インターネット上を主として現在進行系で多くの二次創作が投稿され続けて大きく広がり、ZUN氏および上海アリス幻樂団を頂点として、二次創作を投稿する同好の士によって繁栄を続ける一大ブランド

です。

「ゆっくり茶番劇」の発展については、ZUN氏は直接の関わりは薄いのかもしれません。
多くの動画を投稿して「ゆっくり茶番劇」の発展を直接的に支えたうp主が他にいるかもしれません。
それでも、上記の通り東方Projectがファンによる二次創作に対して寛容であったからこそ、そして東方Projectというコンテンツの元々の魅力が大きかったからこその結果であり、東方Projectに端を発するコンテンツのブランドはすべてZUN氏および上海アリス幻樂団を頂点とするものです。

本件については、権利が無効だったり、商標法上の「使用」に該当しなかったりする可能性も大いにありますが、ZUN氏および上海アリス幻樂団ではない主体による権利行使そのものが「悪」であって、権利濫用により認められないという結論で、判例としてもそのように考えて問題ないと思います。

というわけで、権利濫用の判例について見ていきます。

4.権利濫用の判例

商標権行使による権利濫用について判例を3つほどピックアップします。

1.平成22(ワ)11604

「GRAVE GARDEN\グレイブガーデン」という登録商標を有する商標権者が「グレイブガーデン~~~」という名称で霊園を営む被告4業者にそれぞれ商標権侵害による損害賠償請求を行った訴訟です。

・権利者本人による商標使用の事実がなく、使用の意思があったとも認められないため、3条1項柱書の無効理由が存在する。
・そのような商標権には原告の業務上の信用が化体されているとは言えない。
と説明された上で、

これらの事情に鑑みれば,原告の本件商標権に基づく損害賠償請求権の行使を容認することは,商標法の趣旨・目的,とりわけ,いわゆる登録主義の法制下においての濫用的な商標登録を排除し,登録商標制度の健全な運営を確保するという同法3条1項柱書きの規定趣旨に反する結果をもたらすものといえるから,原告の被告らに対する本件商標権に基づく損害賠償請求権の行使は,権利の濫用に当たるものとして許されないというべきである。

として権利行使が否定されました。

つまり、「グレイブガーデン~~」という名称の霊園が多数あることに目をつけた原告が「GRAVE GARDEN\グレイブガーデン」という商標登録を行い、権利行使を行って否定された、というクソみたいな話です。

この判例を「ゆっくり茶番劇」で考えてみると、どうやら商標権者は「ゆっくり茶番劇」というタイトルの動画を申し訳程度にアップしているようですね。
(そもそも動画タイトルでの使用は「商標的使用」ではないと思いますが)だからといって、「ゆっくり茶番劇」という言葉が、この権利者にとっての指定役務に関する業務を示すものとして業務上の信用が化体されているわけではないですよね。

仮に、商標権者が今後更に「ゆっくり茶番劇」という言葉が付されたタイトルの動画をガンガンアップしていったとしても、それはファン活動による二次創作を広く認めている東方Projectの懐の深さの結果として大きく広がり、現在進行系で多くの二次創作が投稿され続けている「ゆっくり茶番劇」というブランドの中で認識されるものであって、間違ってもこの商標権者のブランドとしては認識されないですね。

つまり、この商標権者による「ゆっくり茶番劇」の使用は、3条1項柱書における「自己の業務」についての使用ではなく、以前からから存在する「ゆっくり茶番劇」というブランドの使用でしかないですよね。

従って、

いわゆる登録主義の法制下においての濫用的な商標登録を排除し,登録商標制度の健全な運営を確保するという同法3条1項柱書きの規定趣旨に反する結果をもたらすものといえるから,原告の被告らに対する本件商標権に基づく損害賠償請求権の行使は,権利の濫用に当たるものとして許されないというべきである。

そゆこと。

2.平成23(ワ)3460

日本漢字能力検定協会」「漢検」「[漢検]漢字資料館」の登録商標を有する商標権者が、財団法人 日本漢字能力検定協会に対して商標の使用差し止めを求めた訴訟です。

本件については原告と被告との間に関係性があって単純ではないのですが、

・本件各商標の役務に係る事業は元々原告が開始したものであるが、公益法人として被告(漢検協会)が設立されて以降は被告の事業となり、原告は一部の事業の主催者であったにすぎない。
・原告が本件各商標権を有し続けることは,私企業たる原告の一存によって,公益法人として設立された被告の事業継続を不安定にさせ得る潜在的な危険がある状態だった。
・原告は、本件各商標権を無関係な第三者に移転したり、被告に対して本件各商標の使用を中止するよう通告したり、ついには被告による本件各商標の使用差止めを求める本件訴えの提起にまで至り、上記の潜在的危険性を顕在化させたので、その権利保有及び行使が許容される根拠を自ら喪失させたと言える。
・原告が本件訴えを提起したのは、本件各商標権が自己に帰属していることを奇貨として、被告からの損害賠償請求等への対抗策として利用するためであり、商標制度が保護すべき権利、利益とはかけ離れた目的である。
といった説明がなされた上で、

以上のとおり,本件訴えにおける原告の請求は,本件各商標権が本来帰属すべき主体である被告の事業継続を危うくさせるものでしかなく,しかも,商標本来の機能とは関わりなく,被告からの損害賠償請求等への対抗策として本件各商標権を利用しているというのであるから,そこにもはや何らの正当性はなく,権利濫用に当たるというほかない。

として権利行使が否定されました。

グレイブガーデンの裁判よりは、原告側にも多少の理があるかもしれない経緯ですが、「商標法の目的に照らして正当性無し」として切られています。

この判例を「ゆっくり茶番劇」で考えてみると、まさに「本件各商標権が自己に帰属していることを奇貨として」の部分ですね。
判決文っぽく書いてみると、

本件商標権者は、大元である東方Projectの提供者でもなく、「ゆっくり茶番劇」として広がる動画シリーズの発展に寄与したと言える者でもなく、本件商標権が自己に帰属していることを奇貨として、商標本来の機能とは関わりなく,東方Projectの二次創作ガイドラインに従ってファン活動を展開する多くの者から不当な利益を得ようというのであるから,そこにもはや何らの正当性はなく,権利濫用に当たるというほかない。

という感じでしょうか。

3.平成28(ワ)8475

フランスのオクタル社による「SCANeR」という商品が存在するところ、同社から50%の出資を受けて設立された原告が「SCANeR」、「OKTAL」という商標登録を行い、オクタル社と原告との資本関係が解消された後に、オクタル社の日本販売代理店となってオクタル社のドライビングシミュレーターを取り扱う被告に対して権利行使をした訴訟です。

これは判旨がかなり簡潔なのでいきなり引用します。

「SCANeR」及び「OKTAL」の商標は商品の出所がフランス・オクタル社に由来することを示すものとして取引者及び需要者に認識されていると認められるから,かつての販売代理店であった原告が,現在の販売代理店である被告に対して本件各商標権を行使することは,商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,需要者の利益を保護するという商標法の目的に反し,権利の濫用に当たると判断するのが相当である。

ただ、日本の代理店は輸入品をそのまま販売していたのではなく、日本版にカスタマイズしていました。原告はそこを突いて、カスタマイズしてるから別物だ!フランス・オクタル社に由来することを示すものとして正当性が無い!みたいな主張をします。
それに対して、

日本版スキャナーはフランス版スキャナーを基にして日本の道路シーン等のデータを付加するなどしたものであり・・・原告が日本版スキャナー販売に当たりフランス・オクタル社及びフランス版スキャナーと関係していると対外的に示していることからすれば、日本版スキャナーはフランス版スキャナーを日本の顧客の要望に応じてカスタマイズしたものであって,原告が日本版スキャナーに使用する「OKTAL」及び「SCANeR」はその基となったフランス版スキャナーないしフランス・オクタル社を表示するものとして需要者に認識されていると解される。そうすると,日本版スキャナーとフランス版スキャナーが全くの別製品であるとはいえないから,原告の主張を採用することはできない。

として切られています。

輸入に関しては真正品の並行輸入という議論もありますが、本件では正規代理店が被告というトリッキーな状態だったので権利濫用で切ることになったんですかね。

この判例を「ゆっくり茶番劇」で考えてみると、重要になるのは「商品の出所がフランス・オクタル社に由来することを示すものとして取引者及び需要者に認識されていると認められる」の部分ですね。

何度も書いている通り、「ゆっくり茶番劇」は、東方Projectおよびそのデフォルメキャラによる合成音声の動画コンテンツであってZUN氏および上海アリス幻樂団に由来することを示すものとして取引者及び需要者に認識されていると認められますよね。
なので、判決風に書くと

ZUN氏および上海アリス幻樂団ではない原告が、ZUN氏および上海アリス幻樂団によって提示された二次創作ガイドラインに従って動画を投稿する者に対して本件商標権を行使することは,商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,需要者の利益を保護するという商標法の目的に反し,権利の濫用に当たると判断するのが相当である。

という感じですかね。

5.終わりに①

ということで、以前から把握していた商標権の権利濫用の判例3件に基づいて「ゆっくり茶番劇」の商標権が行使された場合の法的な判断を検討してみました。
判例のピックアップを行ったのがだいぶ前なので、商標権の権利濫用に関する判例はこの他にも蓄積されているかもしれません。
そのうち、気が向いたら更に掘ってみたいと思います。

それはそれとして、

商標絡みでこういった問題が起こった時、当然怒りの感情が湧くのですが、私の怒りの感情の矛先は商標権者ではなく、その商標登録出願を代理した代理人に向きます。

弁理士をやってると、こういった他人の看板を搾取するような商標登録がしたいという話が持ち込まれることもゼロではありません。
全く知らない人からのこの手の連絡は無視して終わりですし、話を聞く過程で判明したらその場で終了です。話の中で「ただ無知なだけで悪い人ではなさそうだな」と感じていれば多少説明して「やめといた方がいいですよ」くらいは言います。
また、知り合いの場合には愛を持って止めます。

中には、「他者の看板ではないけど、その言葉を登録しちゃうのはどうなの?」という微妙な場合もあります。その場合、「この言葉は登録してもこれとかこれの判例により権利行使は認められない可能性が高いです。他者に登録されて面倒が起こるのが嫌だから自己の使用のために押さえておきたいと言うなら考えます。権利行使はしないって約束できますか?」みたいな話をします。
まぁ、今回の場合は完全に「他者の看板」ですけどね。

そういった対応をせずに仕事として請けてしまう弁理士ってどうなんですかね。

まず、法が正しく適用された場合には、「他者の看板を搾取した商標登録」で商標権者が利益を得ることは絶対にありません。
仮にそのような商標登録で商標権者が利益を得たとしたら、それは司法の場に出る前、法を正しく判断する者のいない交渉の場で脅しとして商標権を提示して不当な利益を得た場合です。
権利行使が失敗した場合、成功した場合、いずれの場合にも、商標登録によって誰かが不当に損をしています。
前者であれば無駄な商標登録をした商標権者、後者であれば不当な要求に対して金を払わされた人。
でも、商標登録出願を代理した代理人は代理人費用、場合によってはその後の交渉の費用まで含めて丸儲けです。

「東方Project」や「ゆっくり茶番劇」について全く知らなかった、「他者の看板を搾取するような商標登録だとは知らされていなかった」という言い訳については、たった5文字を贈ります。

ググレカス

そもそも登録可能性その他諸々を調べる上で、依頼にかかる商標をインターネット検索しない弁理士なんているわけないので、このご時世で知らなかったは通りません。
「他者の看板を搾取するような商標登録」の依頼をうける弁理士が商標法の法目的に照らしてどういう存在であるか、言いたいことはまだまだたくさんありますが、これ以上はご想像にお任せします。

あ~、あと、本件について「ゆっくり~~~」という形で「茶番劇」の部分を変えてしまえば大丈夫、みたいな事を書いてる記事を見ましたが、ああいう何の知識もないのに正しいこと言ってる風の記事も同じくらい腹立ちますね。
商標制度の間違った認識を広げるだけなんで。

確かに「茶番劇」の部分を変えてしまえば本件商標の侵害にならないのは確実です。
が、それが広まったら何が起こるか考えてるんすかね。
「ゆっくり茶番劇」は登録商標だから、ゆっくり動画を投稿するときには「ゆっくり茶番劇」はNGで、「茶番劇」の部分を変えるっていう

既成事実を作り上げることになるんですよ!

そして、商標法で大事なことの一つは「取引の実情」なんですよ。
そんなクソみたいな既成事実が出来上がったら、それが「取引の実情」として、司法の場で認められるべき事になってしまう可能性もあるんですよ。

中途半端な知識でしゃしゃってくんな。

絶望的なのは弁理士がそれ言ってる場合もあるってとこなんだけど。

6.終わりに②

また、想像を膨らませると、この商標登録の目的は既に達成されているのかもしれないと思ったりします。

本件商標の利用規約的なものは商標権者のYoutubeチャンネルで動画として公開されました。

利用規約って、書面なわけですからウェブサイトなりPDFファイルなりで公開した方が絶対に読みやすいですよね?なんでわざわざ動画なんですか?

本ブログを書く上でやむを得ず確認した際の本件商標の利用規約動画の再生数は40万回に迫るところでした。
公開初日ですよ。

そういう事です。

茶番劇か。。。

本件について東方を愛する者がやるべき一番のこと、それは

商標権者を徹底的に無視すること

です。

冒頭にも注意書きした通り、この商標権者に下手に注目してチャンネル動画の再生数が回ると、それこそ思うツボです。

「ゆっくり茶番劇」の動画を投稿されている方で、この商標権者に訴えられてしまったら、その時こそ、その事実を公に公表し、東方を愛する同好の士から広く支援を募り、

権利濫用であり権利行使は認められない

という判例を勝ち取るのです。
その判決は訴えられた人だけのものではなく、東方を愛する同好の士すべてのものとなり、この商標権の権利行使を永遠に封じ込める事ができます。

では、無視する以外にできることは何もないのか?
上で言及したクラウドファンディングにファンディングするのもいいでしょう。
でも無料でできることが他にもあります。

それは、

このブログを拡散することです!٩( ᐛ )و

ということで、瞬間湯沸かし器となった頭で書き始めたらかなり長くなってしまいましたが、この記事が東方Projectや「ゆっくり茶番劇」を愛する心に少しでも届いたならば、より多くの方に読んで頂けるように拡散にご協力頂ければ幸いです。

ぺこ <(_ _)>

「個性」の合う弁理士がきっと見つかる。 弁理士事務所Shared Partners

ゆっくり茶番劇の商標登録、という茶番劇 ~商標権の権利濫用~” への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。